日本の劣化対策(防腐・防蟻対策)の現状
日本では70~80%がネオニコチノイド系の合成殺虫剤を使用しているのが現状です。ネオニコチノイド系の合成殺虫剤は、人間の脳の発達障害を引き起こす原因になっていると考えられています。また、ミツバチの大量死や巣の異変に大きな影響を与えており、このままの状況が続けば世の中から多くの果物・野菜が消えてしまう可能性があると懸念されています。なぜならミツバチの受粉によって実がなる果物・野菜が多いからです。
ちなみに、ヨーロッパの主要先進国では自然環境への悪影響が高いとして、ネオニコチノイド系の合成殺虫剤は使用禁止となっている所がほとんどです。
2007年春までに北半球の4分の1のミツバチが消えてしまった
ミツバチが大量に消えてしまった国
フランス・ベルギー・イタリア・ドイツ・スイス・スペイン・ギリシャ・オランダ・スロベニア・イギリス・中国・アメリカ・カナダ・ブラジル・インド・台湾・ウルグアイ・オーストラリア・日本
いま使っている防腐防蟻剤
世界の劣化対策(防腐・防蟻対策)の現状
世界の先進国のほとんどが、ホウ酸を使用した劣化対策(防腐・防蟻対策)を行なっています。劣化対策をホウ酸で行なう事は、世界の常識となっています。
ホウ酸の特性
ホウ酸は天然の鉱物です。自然の中に存在するものです。
ホウ酸は様々な用途に使用されている物質です。身近なものでは、洗眼用薬剤・点眼液、工業用で断熱用グラスファイバー・長繊維グラスファイバー・セルロースファイバー断熱材・セラミックなど、農業用では肥料として使用されています。
薬局で売られているホウ酸
- 点眼用…ホウ酸、ホウ砂(ほうしゃ)
- 点眼液
- ゴキブリホウ酸だんご
工業的に、農業的に、その用途は多岐にわたる
- 断熱用グラスファイバー:18%
- 長繊維グラスファイバー:15%
- セラミック/フリット:14%
- 過ホウ酸塩/洗剤:10%
- ホウ珪酸ガラス:9%
- 農業(肥料):7%
- セルロースファイバー断熱材:2%
- その他
(2003年工業別推定消費量)
自然環境のあらゆるところに存在している
- 鉱脈…商品化
- 海水
- 淡水…温泉に「メタホウ酸」
- 岩石
- 土壌
- すべての植物
…土壌から摂取、ホウ酸欠乏症、毎日の食事で摂取
また、ホウ酸は全ての植物にとって必須微量栄養素であり、ホウ酸が無いと枯れてしまいます。そのため、農家の方は植物のホウ酸欠乏症を防ぐために肥料としてホウ酸を土壌に散布しています。人は、必要なホウ酸を植物から摂取しています。ホウ酸は植物にとって不可欠なものであると同時に、人にとっても必要な物なのです。
一方、腐朽菌やシロアリ・キクイムシなどの下等生物には非常に厳しい物質です。腎臓を持たないあらゆる下等生物の場合には、過剰摂取することで 細胞レベルでエネルギー代謝ができなくなってしまい餓死することが分かっています。
代謝という生命の基本プロセスに作用しますので、免疫を得る事が出来ないと考えられています。昔から良く聞くゴキブリのホウ酸団子が、この代表的なものです。
シロアリ
シロアリは、木材の成分「セルロース」を食べて生きています。セルロースは地球上で最もたくさんある炭水化物なのですが、分解困難で、多くの生き物はセルロースを餌とすることができません。しかしシロアリは、お腹の中にセルロースを分解できる原生動物を共生させており、食物競争にも巻き込まれず、繁栄を続けてきました。
天敵は黒アリです。つまり、シロアリは黒アリに食べられることによって、間接的にセルロースをクロアリの餌にしている、「食物連鎖のスタート」を担っています。ということは、黒アリよりもよっぽど数が多くなければ種を保てません。シロアリが「地球上で最も数が多い昆虫の一種」と呼ばれているゆえんです。
地下シロアリ |
イエシロアリ |
ヤマトシロアリ |
働きアリが土壌から侵入してくるシロアリです。わが国で木造住宅を加害する種は「イエシロアリ」と「ヤマトシロアリ」が重要です。 |
“世界最強”の呼び声も高いシロアリです。地中や建築物の中に塊状の巣を作り、数万~100万頭という大きな集団で加害します。水を運ぶ能力に長け、乾いた木材も簡単に食べていきます。分布:関東以西の太平洋沿岸に分布しています。
群飛:6~7月の風の無い夕方から夜にかけて、数千~数万頭がいっせいに飛び立ち、電灯などに集まります。 |
土中や木材の加害箇所を巣とします。多湿なところを好むため、台所や風呂場などの水場周りに被害が多く見られます。寒さに強く、地球で最も北に生息しているシロアリです。
分布:北海道北部を除く、日本全国に分布しています。
群飛:4~5月の雨の日の翌日の晴れた日の午前中に、数千頭がいっせいに飛び立ちます。 |
アメリカカンザイシロアリ
「乾材シロアリ」に分類されるシロアリで、主に乾燥材を食害します。土壌に依存せず、地下シロアリのように床下に蟻道を作ることはありません。1軒の住宅にたくさんの巣を作ることが多く、駆除は困難を極めます。俵状の特徴的な糞粒で被害を知ることができますが、その時点ですでに巣がたくさん出来ている…、というやっかいなシロアリです。
わが国では1976年に江戸川区で発見され、そこから広がっただけでなく、同時並行的に輸入家具などにくっついてきて広がりました。「全国にいる」と考えた方がよく。
ヒノキが好物という、変り種でもあります。
分布:日本全国に広がっていると考えられている。
群飛:6~9月の日中(暖かい家屋内ではほぼ一年中とも)
木材腐朽菌:キノコ
「木が腐る」ということは、木材腐朽菌(いわゆるキノコ)が木材を分解する行為をいいます。つまり「生物劣化」です。木材腐朽菌が無ければ、木材は腐りません。しかし残念ながら、木材腐朽菌の胞子は空気中いたるところに浮遊しています。
そして、木材腐朽菌が育つ(つまり、腐る)ためには、次の4要素が揃うことが必要です。
①栄養分(木材) ②酸素 ③水分 ④温度
整理すると、木材を腐らせないようにするためには(1)木材腐朽菌を殺すか、(2)4要素を揃えないか、そのどちらかをクリアしていればいいことになります。
それでは、木造住宅の構造材を考えた場合、この4要素で管理できるものはどれか。③水分だけですよね。だから、「木材を濡らさない」ことは、腐れ対策においてとても重要なのです。
そしてもうひとつ、(1)木材腐朽菌を殺すことができれば、木材は腐りませんでした。木材腐朽菌を殺す性能をもつ薬剤を「木材防腐剤」といい、ホウ酸も「木材防腐剤」のひとつです。ホウ酸処理されている木材は、たとえ濡れても腐らないのです。
キクイムシ
木造住宅を加害するキクイムシでは、ヒラタキクイムシが重要です。体長2~8mmほどと個体差は大きく、色は暗褐色で、体型は細長く平たい。
建築時の被害材の使用(これが多い)、被害家具の持ち込みなどにより家屋に侵入して、床や柱、壁、下地材などの建材や家具を食害します。
導管に産みつけられた卵が孵化し、幼虫が木材内を食害します。蛹を経て、成虫になり、毎年4~8月ごろ、成虫が被害を与えていた木材から飛び出します。そのとき、鉛筆で刺したような脱出穴を開け、そこからきな粉のような糞がこぼれ出ます。
脱皮した成虫は交尾し、また導管に散乱します。
このように、ヒラタキクイムシは一度出てしまうとなかなか止めることができません。被害は導管のある広葉樹材と竹材に限られ、針葉樹材は被害にあいません。
ホウ酸処理の特徴
安全・安心
ホウ酸は、揮発しない物質で空気中を漂う事が無いため、室内の空気を汚す事はありません。したがって、お住まいの方がホウ酸を摂取する事は無く、通常の日常生活で健康を害する事はありません。もし、何らかの形で必要以上に摂取しても、肝臓で浄化され尿になって体外へ出るため、人体への影響は無いと考えられています。
シックハウス症候群の方にも安心して生活して頂けます。
長期持続
ホウ酸は、分解・揮発しないため、その場所に留まり効果は半永久的に持続します。その代表的な例として、18世紀に作られたバイオリンの名器ストラディバリウスの防虫対策としてホウ酸が使用されており、現在もその形を留めているそうです。
また、再処理できない壁の中の柱などの場合は、合成殺虫剤で処理をしても効果が無くなった後は処理していないのと同じ事になってしまいます。無防備な状況で非常に不安になってしまいます。その点ホウ酸で処理を行なえば、半永久的な持続効果が期待出来る事から、長期に渡って安心して生活して頂けます。
但し、水には弱いため、大量の水に接すると溶脱して効果が薄れる事はあります。
ストラディバリウス
近年、米国テキサスA&M大学のジョセフ・ナジバリー(Joseph Nagyvary) 教授の研究により、ヴァイオリンの名器であるストラディバリウスのトップから、ホウ砂が検出された。製作当時、ホウ砂はワニスの防腐剤として使われていたことが明らかになっており、それが名器の音の秘密ではないかという研究結果が、同教授によって提出されている。(Wikipedea)
業界最長の新築15年保証
ホウ酸での処理は効果が長持ちするため、長期の保証が可能となりました。
これまでの長期優良住宅制度適応保存剤は、合成殺虫剤しか認められていないため、ホウ酸での処理では融資や補助金制度等を受けることができませんでした。
しかし、平成23年にホウ酸薬剤が認定され、その後平成24年には、日本住宅性能表示基準の劣化対策等級3級の認定を受け、長期優良住宅制度にも対応が可能となりました。
※劣化対策等級…構造躯体等に使用する材料の交換等大規模な改修工事を必要とするまでの期間を伸長するため必要な対策の程度
等級3:通常想定される自然条件および維持管理条件の下で3世代(概ね70~90年)まで伸長するため必要な対策が講じられている
ホウ酸薬剤の認定
(社)日本木材保存協会が認定
- 認定番号:A-5431
- 登録名:ティンボアPCO
- 申請者:Rio Tinto Minerals社
- JIS K 1571:2010附属書A(規定)
- 認定日:平成23年9月5日
H26年4月 JBTA認定資格「ホウ酸施工士」義務化!
ホウ酸処理は、知識不十分のまま工事を行うと期待通りの効果を得ることができず、むしろ危険な状態となります。
正しいホウ酸処理を知り、シロアリや腐れの特性を知り、ホウ酸処理のプロフェッショナルとして、常に防腐防蟻業界を牽引するため、2014年4月より、新築工事、既存工事問わず全てのホウ酸処理についてJBTA認定資格「ホウ酸施工士」による施工を義務化することになりました。
正しいホウ酸処理の重要性
正しいホウ酸処理は、お施主様の住宅(不動産)の価値を高め、生活を豊かにします。
しかし、その反面、誤ったホウ酸処理や誤った防腐防蟻処理は、住宅貧乏を招き、お施主様の生活を悪化させることに直結します。
「劣化する住宅」は、不動産価値がゼロになり、早期建て替えの必要が生じます。「劣化しづらい住宅」であれば、ロングライフ”ながいき・けんこう住宅”であり、建物への資金を最小限にすることができ、それが、生活のゆとりに直結することになります。
不動産の劣化は、売買や貸借に大きな影響を及ぼすことになることから、正しいホウ酸処理はお施主様にとって大変重要なものとなります。
正しいホウ酸処理だからこそ、安心安全で再処理不要の”ながいき・けんこう住宅”、つまりロングライフ住宅の提供を実現致します。